1.箱根八里の半次郎
作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫
廻(まわ)し合羽も 三年がらす
意地の縞目(しまめ)も ほつれがち
夕陽背にして 薄(すすき)を噛めば
湯の香しみじみ 里ごころ
やだねったら やだね
やだねったら やだね
箱根八里の 半次郎
寄木細工よ 色恋沙汰は
つぼを外せば くいちがう
宿場むすめと 一本刀
情けからめば 錆(さび)がつく
やだねったら やだね
やだねったら やだね
まして半端な 三度笠
杉の木立を 三尺よけて
生まれ在所(ざいしょ)を しのび笠
おっ母(かあ)すまねぇ
顔さえ出せぬ 積る不幸は 倍返し
やだねったら やだね
やだねったら やだね
箱根八里の 半次郎
2.赤城の子守唄
作詞:佐藤惣之助
作曲:竹岡信幸
泣くなよしよし ねんねしな
山の鴉が 啼(な)いたとて
泣いちゃいけない ねんねしな
泣けば鴉が またさわぐ
坊や男児(おとこ)だ ねんねしな
親がないとて 泣くものか
お月様さえ ただひとり
泣かずにいるから ねんねしな
にっこり笑って ねんねしな
山の土産に 何をやろ
どうせやくざな 犬張子(いぬはりこ)
貰ってやるから ねんねしな
3.勘太郎月夜唄
作詞:佐伯孝夫
作曲:清水保雄
影かやなぎか 勘太郎さんか
伊那は七谷 糸ひく煙り
棄てて別れた 故郷の月に
しのぶ今宵の ほととぎす
なりはやくざに やつれていても
月よ見てくれ こころの錦
生まれ変わって 天竜の水に
映す男の 晴れすがた
菊は栄える 葵は枯れる
桑を摘むころ 逢おうじゃないか
霧に消えゆく 一本刀
泣いて見送る 紅つつじ
4.妻恋道中
作詞:藤田まさと
作曲:阿部武雄
好いた女房に 三下り半を
投げて長脇差 永の旅
怨むまいぞえ 俺等のことは
またの浮世で 逢うまでは
惚れていながら 惚れない素振り
それがやくざの 恋とやら
二度と添うまい 街道がらす
阿呆阿呆で 旅ぐらし
泣いてなるかと 心に誓や
誓う矢先に またほろり
馬鹿を承知の 俺等の胸を
何故に泣かすか 今朝の風
5.一本刀土俵入り
作詞:高橋掬太郎
作曲:細川潤一
角力名乗りを やくざに代えて
今じゃ抱寝の 一本刀
利根の川風 まともに吹けば
人の情けを 人の情けを 思い出す
忘れられよか 十年前を
胸にきざんだ あのあねさんを
惚れたはれたと 言うてはすまぬ
義理が負い目の 義理が負い目の 旅合羽
見せてあげたい 男の夢も
いつか崩れた 一本刀
悪い奴なら 抑えて投げて
行くがおいらの 行くがおいらの 土俵入り
6.旅姿三人男
作詞:宮本旅人
作曲:鈴木哲夫
清水港の 名物は
お茶の香りと 男伊達
見たか聞いたか あの啖呵
粋な小政の 粋な小政の 旅姿
富士の高嶺の 白雪が
溶けて流れる 真清水で
男磨いた 勇み肌
なんで大政 なんで大政 国を売る
腕と度胸じゃ 負けないが
人情からめば ついほろり
見えぬ片眼に 出る涙
森の石松 森の石松 よい男
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